まるで御伽噺に出てきそうな古びた小屋。前世紀のヨーロッパの片田舎にいかにも存在しそうな小屋をイメージしたのが「イロドリプロジェクト・造形小屋（2.5坪）」だ。外観の意匠はモルタル造形で仕上げたもので、じつはどんな風合いにも仕上げる事ができる。少女が夢見た石積みの小屋から、古びた赤煉瓦の家まで自由自在。より個性に溢れた小屋を手に入れたいならば、まさに最適なモデルといえるだろう。

一般的な小屋は、あらかじめ工場で成型・加工された部材を現場で組み合わせていくだけで完成するキットハウスが大半だ。こうした規格化された製品はDIY経験の浅い素人でも簡単に施工出来るというメリットを生む反面、外観の意匠も規格化されてしまい、塗装などで個性を出すのが精一杯だ。

つまり、デザイン面での差別化が難しいというデメリットが存在した。もちろん、それでも“小屋”というだけでも十分に個性的なのだが、“小屋カルチャー”が拡大・拡散していくにつれ、“他人とは違う自分だけの小屋”を求める声は、日増しに強くなってきた。そんなユーザーたちの声に応えるように「グリーンベル」が開発したのが、「イロドリプロジェクト・造形小屋（2.5坪）」である。　

これまでの“山小屋”や“ログハウス”といった木製の小屋とはまったく異なる、まるで石積みの小屋のような意匠を与えられたこの「造形小屋（2.5坪）」は、その名の通り“造形モルタル”という近年商業施設などで利用されているモルタル成型技術によって完成されたものだ。

写真の例では何百年もの年月を積み重ねてきた古びた小屋のように見せるために、外壁の土壁が崩れ落ち、石積みの躯体があらわになったかのように仕上げているが、これらはすべて完成した小屋の外壁に、ひとつずつ手作業で再現していったもの。

モルタルを材料に手作業で“盛ったり・削ったり”しながら成型してく様は、まるで芸術作品のようでもある。ひとつひとつ手作りで仕上げていくため、同じ意匠のデザインは２つとして存在しないというのも、オーナーの満足度を高めてくれるポイントになるだろう。　

外観のデザインはフランス風からドイツ風、イタリア風など自由自在。もちろん、煙突を付けたり外したり、石積風から煉瓦造風まで細部にまでこだわったデザインの小屋もオーダーできる。

一見すると木部かと思うような部材も、じつはモルタルの上から着色したものだったりと、至近距離で見ても（あるいは触ってみても）、本物かどうか見分けが付かないほど精巧に出来上がっているのは、まさに高い技術力の賜物だろう。　

一方で、すべてが手作業であるため、施工する技術者には高い技術品質が求められるのも事実。つまり、個性的な意匠を手に入れられる反面、規格化できないことからセルフビルドが難しいというデメリットも併せ持つ。このため「イロドリプロジェクト・造形小屋（2.5坪）」の施行範囲には事前の問い合わせが必要である。　

まさにオーダーメイドの住宅のような「イロドリプロジェクト・造形小屋（2.5坪）」は、夢に描いてきた憧れの小屋を手に入れることができる数少ない選択肢であることは間違いない。心の中に秘めてきた、理想の小屋像がしっかりとある人には、個性を最大限に発揮できるこの「イロドリプロジェクト・造形小屋（2.5坪）」は、まさに唯一の選択肢といえるだろう。

【INFORMATION】
PRODUCT｜イロドリプロジェクト・造形小屋 2.5坪（Irodori Project 造形小屋（2.5坪））
KIT PRICE｜132 万円（税別 ※オプション除く。施工込受注のみ）
FLOOR SPACE｜8.28㎡（2.5坪 / 5帖）
（注）キット販売は送料が別途必要。完成販売に関しては、事前にお問い合わせを。
CONTACT｜グリーンベル
WEB｜https://www.green-bell.co.jp

PHOTO｜KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT｜KAZUTOSHI AKIMOTO
MODEL｜Himeka WATANABE
PUBLISHED｜2018
SOURCE｜小屋ライフ（KOYA LIFE）Vol.02