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趣味のキャンプ用品に囲まれた道具小屋
福岡県糸島市は、福岡市内からクルマで20~30分という立地の良さに加え、玄界灘に面した美しい海岸線が連なる人気のエリアだ。近年はおしゃれなカフェなど集客力のある飲食店が増加したことも手伝い、県外からの観光客でも賑わう。同時に海や山に囲まれたロケーションは移住先としても注目されている。ここで紹介するSさんもまた、福岡市内から糸島市へと転居し、セカンドライフを楽しんでいるひとりだ。
糸島市でセカンドライフを堪能するSさんご夫妻は、長年ご主人が単身赴任し、奥様が福岡市内で家を守るという生活スタイルを営んできたそうだ。そんな離ればなれの暮らしも定年退職を機に一転、“夫婦ふたりで静かな環境の下、趣味を謳歌する暮らしを楽しみたい”と、新居を建築して糸島市へと移住を果たした。
もともと多趣味なご主人は、海まで徒歩数分というロケーションを生かし、サーフィンやSUP、シーカヤックなどのマリンスポーツを楽しむが、それだけに留まらず登山やキャンプなどの野遊びに興じることも多い。そして、こうした数々の趣味で活用する道具類の収納場所は移住後のあらたな課題になったという。もちろん、ありきたりな市販の物置を置く事は想定していなかった。農地を合わせて570坪という広大な敷地の中に、長年の夢を詰め込んだこだわりの母家とガレージを建てたばかりである。
物置であっても、そこはしっかりとこだわりたかった。 最初は母家を建築した住宅会社へ相談するも、工期も予算も大きくかけ離れており断念。
キットハウスも考えてみたそうだが、母家の木の家にマッチするようなモデルはなかなか見つからなかった。そんな時にふとインターネットで見かけたのが、同じ福岡県内で小屋を建築・施工する「パティーナ」の小屋だ。
宗像市を拠点にする「パティーナ」は、古材を上手に使ってさまざまなサイズの小屋を製作、近県であれば施工まで対応してくれる専門の小屋ビルダーだ。細部までエイジングが施された小屋は、新築ながらもまるで何十年もその地に佇んでいたかのような古びた印象に仕上げられており、Sさんが理想とするイメージにも近いものだった。
結局、基礎だけは母家の住宅会社へ依頼し、その上に「パティーナ」が製作した小屋を建築。あらかじめ工場で部材をカットして現場で組み立てられた小屋は、たったの2日で完成。色合いも母家と統一し、ご覧のような道具小屋が完成したのである。
小屋は「パティーナ9.6」と呼ばれる床面積9.6㎡のモデルをベースに、屋根を延長してオープンスペースを追加。入口も2方向に備え付けるなど、標準モデルにオプションを加えている。
内部は主にキャンプや登山道具の収納場所として使用しているが、2面に窓を設けた広々としたスペースは庭仕事の合間に一息着くためのリラックス・エリアとしても活用。延長部のオープンスペースは今後小型のトラクターを格納する予定だという。
TINY HOUSE DATA | |
建物名 | パティーナ9.6 |
製作 | パティーナ |
問い合わせ先 | https://ameblo.jp/garden-pa-2012/ |
外寸 | W3600×D2700×H2500mm (延長部はW2000×D2700×H2500) |
内寸 | W3480×D2580×H2300mm |
床面積 | 9.6㎡(約5.26帖) |
基礎 | ベタ基礎 |
断熱材 | あり(発泡ポリスチレン) |
工期 | 2日間(現場工期) |
建築費 | 35万円(税込価格、送料・オプション別) ※上記はドアや窓の追加、屋根延長のないベースモデルの仕様や価格 |
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2021
SOURCE|小屋 ちいさな家の豊かな暮らし Vol.05
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