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バイク用ガレージを転用した焼き菓子店
群馬県藤岡市の住宅街にある「 お菓子とパンのnatsu工房」は、オーナーのKさんが長年夢を描いてきた“自分のお店”だ。その可愛らしい外観からは想像できないが、じつはこのお店はバイク用ガレージや物置として使われることの多いキットハウスをベースにしている。そもそも小屋の使い道は人ぞれぞれだが、まさかこんな使い方があったとは。小屋の持つ可能性をあらためて考えさせられる、素敵なアレンジ方法といえるだろう。
「軒出し45 センチでドア位置が妻側というのは、バイクガレージとして理想的なカタチ。ガレージにも物置にもちょうど良いサイズです」とは、小屋の販売を行うグリーンベルによる、同社製ワークスガレージの紹介文だ。
最小基本キットは2440×2440mmの正方形。バイク2 台を収納して、前後に整備スペースを設けるならば、奥行きを延長して長方形にするとちょうどいいそうだ。ところが、このバイクガレージがお菓子工房にもぴったりだったとは、メーカーであるグリーンベルも初めて知ったという。
小屋のオーナーは群馬県藤岡市に住まいを構えるKさん。幼い頃からお菓子作りが大好きで、“ いつかは自分のお店を持ちたい”と長年夢を描いてきた。学校でお菓子作りの基礎を学び、洋菓子店に勤務しながら実務経験を積み、パティシエへの道を着実に歩んできたが、出産により一時的に子育てに集中。子供が成長してきたのを見計らい、やっと自身の夢に手をかけた。
じつは2018 年に新築したという自宅には、すでに小屋を置く場所を想定してスペースを空けてあった。お菓子作りは自分ひとりで出来る程度で始めたい。だからこそ店舗も「小屋を活用するのがちょうどいい」と漠然とイメージして、敷地内に小屋を建築できる余地を残しておいたのだ。
自宅のキッチンとほぼ同じサイズが決め手
実際に小屋を探し始めると、理想的なサイズのものがなかなかみつからなかったそうだが、たまたまサイズを測ったらグリーンベル製「ワークスガレージ」がジャストフィット! 内部に厨房機器を一列に並べ、その反対側に2層式のシンクや調理台を置くニの字型の配置とすると、振り向けば手の届く範囲に冷蔵庫やオーブンがあるという、自宅のキッチンとほぼ同じ使い勝手になったという。それはまるで、使い慣れたキッチンをもうひとつ、屋外に設けるという感覚だったそうだ。
こうしてやっとの思いで小屋が完成したのは昨年末。保健所の営業許可も無事取得して自分のお店をオープンさせた。「安全でリーズナブルなお菓子。他人への贈答品じゃなく、自分へのご褒美になるようなものを提供していきたい」と抱負を語るKさん。手作りのお菓子やパンは、すべて予約制。小屋の中で一つひとつ丁寧に焼き上げる。
それにしても、ほのかに甘い香りが漂うお店が、じつはバイク用ガレージをアレンジしたものだとは、きっと誰も気が付かないだろう。
TINY HOUSE DATA | |
建物名 | ワークスガレージ |
製作(キットハウス) | グリーンベル |
問い合わせ先 | https://www.green-bell.co.jp |
外寸 | W2440×D3660×H2584mm |
内寸 | W2260×D3480×H2404mm |
床面積 | 8.9㎡(約5.7帖) |
基礎 | 土間コンクリート仕上げ |
断熱材 | あり(グラスウール・施工別途) |
工期 | 4日間(キット組み立て時) |
建築費 | 35万7400円(税込・キット価格・床材なし ※オプション・施工費除く) |
CONTACT|Green bell
WEB|https://www.green-bell.co.jp
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2021
SOURCE|小屋 ちいさな家の豊かな暮らし Vol.4
Copyright © CLASSIX
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