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1日2組限定のキャンプ場に建つ廃材を有効活用した個性的な小屋

房総半島に位置する千葉県いすみ市。海までクルマで5分という幹線道路沿いに位置する「NAT PARK」には、オーナーのEさんがDIYで建築したという2棟の木造小屋が建っている。

海外では屋根材としてポピュラーなウッドシェイク&ウッドシングル。木材を斧で割ったウッドシェイクや製材を使ったウッドシングルは、断熱効果が高いことから屋根だけでなく、内外壁用の建材などにも幅広く使用されている。また、一般的には防腐・防虫性能の強いレッドシダーを材料に使用することが多いようだ。

千葉県いすみ市の街道沿いに建つキャンプ場「NAT PARK」にも、そのウッドシングルを使用した小屋が建っている。ただし、使用しているのはどれも元は廃材。手先の器用なオーナーが不要になった木材を上手に加工して外壁に使用しているのだ。 

キャンプ場の管理棟と、キャンプスペースの休憩棟として建築された小屋は、どちらもキャンプ場オーナーのEさんが、スタッフと2人で組み立てたもの。基礎コンクリートから躯体まで試行錯誤しながら完成させたDIY 作品だ。建築は2 棟ある小屋のうち、まずはキャンプ場の管理棟から手を付け、2019年6 月から2020年1 月まで約半年の期間で完成させた。続けて休憩棟も着工し、2020年6 月に完成したばかりである。 

聞けば、小屋の建築は一度6 帖ほどの簡易的なものを作ったことがあるだけ。建築を学んだり、本格的な小屋を建てたりした経験はなかったそうだ。「特に重量のある生コンを担いで作ったコンクリート製の基礎作りが大変だった」と、Eさんはこの1 年を振り返る。 

管理棟はそのベタ基礎の上に2 × 4 構造の壁パネルを配置。さらにトラス状に組んだ小屋組を加えて躯体を完成させている。内装にはOSB合板を使用、フローリングを敷いて、さらに休憩棟にはトイレやキッチン、シャワールームなどの水回りも敷設した。こうして見事な山小屋風の小屋が完成したのだ。 

管理棟の内部では雑貨の販売も行っており、毎日スタッフが常駐しているが、断熱材としてグラスウールを使用しているため、真夏の盛りでもエアコンを使用すれば快適に過ごせるそうだ。 

一方の休憩棟は内外壁に使用する板の形状を変化させ、よりユニークなデザインに仕上げている。トラスが整然と並ぶ小屋組はハイサイドからもその美しい形状が覗ける。縁側や吐き出しの窓を全面に覆う折れ戸式の網戸など、細かな部分までEさんがこだわったディテールだ。 

苦労して完成させた小屋は、早くも「NATPARK」のアイコンとして定着、キャンパーたちに親しまれる存在となっている。

【INFORMATION】
NATPARK
CONTACT|NATPARK
WEB|ttps://www.natpark-isumi.com

PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2020
SOURCE|小屋 小さな家の豊かな暮らし Vol.3

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