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赤毛のアンに憧れた木工作家の活動拠点
白と緑で彩られた洋風建築の母家と意匠を合わせた、真っ白な小屋。オーナーは「赤毛のアン」に憧れ、アメリカンカントリーを中心に、オリジナルの雑貨や家具を製作・販売している木工作家のCさんだ。小屋は躯体の組み立てだけを業者へ依頼し、内外装は自分で仕上げたというハーフビルド。手間暇をかけて完成した小屋を手にしたことで、その活動はセカンドステージへとステップアップしたという。
カナダの作家、ルーシー・モード・モンゴメリが1908 年に発表した長編小説「赤毛のアン」。日本国内でも何冊もの翻訳本が出版されているが、一般には1979 年に放映された全50話のテレビアニメーションがきっかけとなり、広く知られる存在になったといわれている。
群馬県桐生市で木工作家として活躍するCさんも、幼い頃に「赤毛のアン」の世界に触れたことで古き良き時代の北米文化を知ることとなり、成人してからもその世界観に影響され続けてきたという。
2001年に完成したマイホームは、白を貴重とした鎧張の洋風建築に緑の切り妻屋根という組み合わせ。これも「赤毛のアン」に登場するカスバート家の邸宅をイメージして建築されたものだ。
Cさんが木工作家として活動を始めたのは、このマイホームの完成が発端となった。住まいに合いそうな家具を見様見真似で自作してみようと思い立ち、試しにゴミ箱を作ってみると、これが思った以上に楽しく、いつしか木工作品作りが趣味へと発展。
さらに自作した作品をフリーマーケットで販売すると大きな反響を得ることになり、やがて自宅の一角で作品の販売を始めることになったという。
自宅の敷地内に建築された小屋は、こうして出来上がった家具や雑貨を販売するために増築したものだ。
内外装の仕上げや什器の製作はハンドメイド
楽しみながら完成させたハーフビルドの小屋
躯体は群馬県伊勢崎市に拠点を構える「カントリータウンアンドカンパニー」製のキットハウス「アトリエ」をベースにしており、さらにCさんの要望で屋根の勾配をきつくして「赤毛のアン」の世界観を再現する三角屋根の家へとカスタマイズしている。
他にも快適性を高めるために断熱材を加え、窓枠も標準装備の木製から高気密住宅にも使用されるダブルハングのケイウインドウへと変更するなどグレードアップ。さらに外装のペイントや漆喰壁の内装仕上げ、さらに得意とする木工加工の腕前を駆使して什器を製作するなど、率先して小屋を完成させた。
現在はCさんの作品だけでなく、同じハンドメイド作家たちの作品も展示販売。さらにオリジナル家具の打ち合わせスペースとして小屋を活用している。
販売スペースを母家から切り離したことで、より一層好みを反映させることができるようになったと語るCさん。今後は定期的にディスプレイを変更し、大好きなアメリカンカントリーの世界観をもっと色々な人と共有していきたいと、抱負を語ってくれた。
TINY HOUSE DATA | |
建物名 | ガーデンシェッド・アトリエ |
製作 | カントリータウンアンドカンパニー |
問い合わせ先 | https://www.country-town.com |
外寸 | W3700×D2420×H2940mm |
内寸 | W3435×D2160×H2690mm |
床面積 | 8.1㎡(約4.9帖) |
基礎 | ベタ基礎 |
断熱材 | あり(グラスウール) |
工期 | 30日間(施主施工含む) |
建築費 | 60万円(税別・標準キット価格) |
PHOTO|KAZUTOSHI AKIMOTO
TEXT|KAZUTOSHI AKIMOTO
PUBLISHED|2021
SOURCE|小屋 ちいさな家の豊かな暮らし Vol.04
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